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2008年9月

Expanded Horizon その3

ピッツバーグ、もう少しだけ続きます。

3日目午前中は山で芝刈り…ではなくて、遊歩道のゴミ拾いや枝打ちといったコミュニティサービスに参加。Student Conservation Associationという環境保全活動の機会を学生に提供しているNPO(全米にいくつかオフィスがあるらしい)があって、ピッツバーグ近辺ではカーネギー・メロン大学(Carnegie Mellon University, CMU)の学生が中心に活動しているとのことです。近辺の山ではジャパニーズ・ノックなんたらという外来種がはびこって問題になっているそうで、「そのジャパニーズをひっこ抜いて」と言われてはちょっと複雑。午後は少し時間があったのでピッツバーグ大学(University of Pittsburgh)やCMUのあるオークランド地区へ。ピッツバーグ大学には荘重なゴシックの建築物が多く、キャンパスを歩いているだけで幸せ気分でした。

最後の夜は野球観戦。地元Piratesの相手はAstrosHouston, TX)で、思いがけない松井稼頭央選手の登場に私は一人興奮。実はプロ野球ってあまり好きではない(無駄に長い気がする)のですが、とりあえず何事も経験と思ってやってきた今回の試合。驚いたのは、試合開始・終了時になんの挨拶もないことと、試合終了後にロックバンドの演奏が延々一時間半も続いたことです。バンド目当ての観客の方が多かったようで、試合開始時に5割ほどしかうまっていなかった客席が終了後はぎっしり。もう少し音が控えめだったらよかったのになー。

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ところで、今回の旅行の一番の収穫は、ひょっとしたらクラスメイトと仲良くなれたことかもしれません。元々話しやすかった中国人とはもちろん、何人かのネイティブの学生とも大分打ち解けて話ができました。ただ、ネイティブの学生で話が出来る相手は、日本に多少なりとも縁がある人(日本で英会話講師をしていたとか、兄弟が日本人と結婚したとか、村上春樹が好きとか)か、しばらく海外で暮らしたことがあるという人がほとんど。全く話が続かない人も結構いて、おそらく彼らの頭の中では日本人=異星人なんだろうな…と感じました。おかしかったのが同室だった中国人Xちゃんの発言。中国人留学生の中では一番英語に苦労している彼女が「これでも私、ついこの間(大学時代)までは独立した人間だった。それなのに今はどう?何をするにもY(彼女の同居人、同じく中国人)についていくだけ!」と自嘲気味に言うのを聞いて、ああ、彼女も自分が自分らしく振舞えないことに対する苛立ちと闘っているんだな、となんだかとても共感を覚えました。頑張ろうね、お互い。

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Expanded Horizon その2

ようやく金曜日…。さて、ピッツバーグ旅行の続きです。

到着した翌日(現地滞在1日目)午前中はバスツアー。近隣の宅地開発や工場跡地再開発の様子などを見学しました。午後は複数のグループに分かれてUPSAがアレンジしたイベントに参加。私はダウンタウンの再開発に取り組むPittsburgh Cultural TrustというNPOを訪問しました。この団体は、音楽やダンスの公演、美術展、ワークショップなど様々な文化活動を主催する一方で街区デザインや不動産開発も手がけており、一度は衰退したピッツバーグの中心街を文化地区として甦らせる上で大きな役割を果たしています。もらった年報を見たところ、三大収入はPresentation(38.7%)、Rent(18.9%)、Gifts and Grants(17.1%)で総額約40億円。Rentが入っているところがおもしろいと思いました。

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2日目も同じくUPSAのイベント。午前中はAllegheny County Economic Developmentというこの地域専門の不動産会社兼コンサルのような会社を訪問しました。久々に見たスーツ姿のビジネスマンたちは颯爽としてなんだかやたらとカッコいい。プレゼンの後、ピッツバーグ郊外で彼らの手がけた再開発地区(かつては製鉄関連施設が存在し有害物質に汚染された、いわゆるブラウンフィールド)を案内してもらいました。EPAとの交渉の結果、一部の地区はremediationのレベルが低い(汚染が完全に除去されていない)とかなんとかいう話が出てきたので、交渉とはどういう意味か等々もう少し詳しく聞きたかったのですが、とっさに言葉がまとまらず断念。スタッフと他の学生の楽しげなやり取りを見て、非常に悔しく思いました…。

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午後はNine Mile Run Watershed Associationという団体の案内で近郊の自然再生地区を散策。流域の植生も復元したものだとのことで、枯れ木もあれば毒草もあり。日本でいうところの多自然型川づくりでしょうか。カーネギー・メロン大学で行われていたプロジェクトが発端ということで、大学院で環境教育を専攻している学生がインターンをしていました。

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ピッツバーグはUS Steelの本拠地で、私が小中学生の頃は鉄鋼の街と習いました。日本その他の製鉄業に押され一度は衰退したものの、公害対策と都市再生に成功して今や全米で最も住みやすい都市の一つ(アナーバーも「全米で最も住みやすい」らしいので、この呼び方あまり当てにしてませんが…)。人口30万人強。都会過ぎず田舎過ぎず、バス路線発達。ダウンタウンが二つの川の合流地点に位置し、対岸からの眺めは「全米の都市の中で2番目にすばらしい」(バスツアーのおじさん談。1番目は不明。)。という訳で、アメリカに来る前からなんとなく気に入っていた街でした。

そして、実際に見て、この街が好きだと思った理由がもう一つ。うまく言葉にならないのですが、自分たちの住む場所を自分たちの手で変えていこうとする人々の意気込みとでもいうのでしょうか。訪問先の団体の人たちもタクシーの運転手も皆がピッツバーグの衰退と再生の歴史に触れ、この地域に強い愛着を持っていることが伺えました。道端の失業者や手付かずの街区の姿は他都市と変わらず、全てのプロジェクトがうまくいっているとも限りません。でも、自分たちの力で環境は変えていくことができる、そういうシンプルな希望を持たせてくれる街でした。

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判例と格闘中

宿題が押し寄せてきたのでピッツバーグは後回し。木曜に提出物2本とプレゼン1本。で、今何をしているかというと…束の間の逃避中です。。

提出物の一つは裁判所の判例の要約(Case Brief)。シラバスによると、今学期中授業で取り上げる判例が約40例あり、各人が順番に要約を提出することになっています。判例は通常のリーディングの課題に比べると総じて短いのですが、ものすごーく読みづらいのが難点。法律用語が多く辞書を引いても時々意味不明な上に一文一文が長く主従の関係を追うのに一苦労。法律関係の文章と言えば、日本では難解&意味不明の代名詞ですが、この国でもそうなんですね。毎日こんなものを読んでいるロースクールの人には頭が下がります。

ちなみに私が今回割り当てられたのはBoomer et al v. Atlantic Cement Company, Inc.という、nuisance(生活妨害)に関するよく知られた(知られているらしい)判例。セメント工場の操業に伴うばい煙、粉じん、振動等によって損害を被ったとする近隣住民の訴え(差止め及び損害賠償請求)に対し、ニューヨーク州最高裁は損害の全面的な賠償を解除条件とする差止めを認めるべきであると判示したという事案です。…うーむ、これだけ理解するだけでも時間がかかったのですが、ここからどんな意義を引き出すべきなのかがまだよくわかりません。要は損害賠償と引き換えに汚染の継続を認めたということなのだと思いますが、1970年の判例なので、まだ大気汚染対策が緒についたばかりの頃の話です。これから先の出来事を眺めるうちにその意義が見えてくるのかもしれません。さっさと概要をまとめて判例並に理解しづらい(聞き取りづらい)教授の説明に備えることにします。

↓カーネギー博物館(ピッツバーグ)

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Expanded Horizon

17~21日の間、ピッツバーグ(Pittsburgh, PA)に行ってきました。私の所属するプログラムの学生組織UPSA(Urban Planning Student Association)が主体となって毎年企画している近隣都市へのツアー、その名はExpanded Horizon。今学期に登録しているコースの一つで、一種のフィールドワークです。4泊5日$160の安上がり旅行だけあって、ベッド2つの部屋に学生4人の割り当てというプライバシーのかけらもない生活でしたが、様々な人に会い様々なものを見て、とても楽しかった。アメリカに来る前から私はきっとピッツバーグが好きになると思っていたけれど、予想通りでした。

宿題があるので詳細はまた改めて。

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あきらめた

頑張る宣言直後に格好悪い話ですが、今学期に取るコースの数を一つ減らすことにしました(この前のLegal Aspectsとは別)。卒業に必要な単位数を考えるとなんとか踏ん張るべきではないかと悩んだけれど、他コースの課題に追われて全く予習できない(事前に課されたリーディングに手を付けられない)ということが続き、中国人の教授からも留学生に無理は禁物と言われたのでついに断念。やっつけ仕事を学びにアメリカに来た訳じゃないんだからこれでいいのだと自分を慰めるばかりです。

いろんな人に言われて覚悟はしていたけれど、語学の壁は本当に高いです。苦手な「聞く」「話す」はもちろんのこと、英語の中では比較的得意だと思っていた「読む」ことについても、やはり日本語と比べると格段に処理能力が落ちることを認めざるを得ません。先週末は初めて使ったSPSS(統計ソフト)がなかなか思うように操作できなくて気が狂いそうになりました。やり終えてみると複雑な作業は一切やっていないことがわかるだけに、なんでこんなことでここまで時間がかかるんだ!!!とついつい腹が立ってしまう。なまじ職務経験があるだけに、英語が不得手でもある程度は経験で埋め合わせることができるはずだとどこかで思っていましたが、今の自分は全てにおいてハンディを負っているのだと再認識している今日この頃です。

週末は雨続きだったので久々の青空。気を取り直して、できることを着実に進めることに専念したいと思います。

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Hang in there!

ドロップしようかどうか迷っていたコース「Legal Aspects of the Planning Process」のライティング・インストラクター(講師とは別)と面談していたら、勢いで「私は今学期中にこのコースを取りたいんだ!」と熱弁をふるってしまいました。課題が処理仕切れていない上に初回の講義がほとんど聞き取れず半ば諦めかけていたのですが、今日もう一度出席してみたらやはりおもしろい。彼女から「(英語に難がある)留学生が1年目に受講するのは稀なことだけど、あなたの経験が理解を助けてくれるだろうし、言葉は徐々に楽になるでしょう。ライティングの課題は事前にドラフトを持ってきてね。役に立てると思うから。」と冷静なアドバイスをもらい、なんとか食いついていくしかないな、と覚悟を決めました。

初めて教授に頼んで講義を録音させてもらったのですが、いざとなったら聞き直せると思って余計な気負いがなくなったせいか、今日は前回より随分聞き取りやすく感じました。出国直前に大慌てで買ったICレコーダー。せっかくなので、他の講義も録音してみようかと思います。

今週は課題に終われて睡眠時間をかなり切り詰めざるを得ませんでした。週末にペースを修正しなければ…。あと、早く自信を持って堂々と振舞えるようになりたいです。学期が始まってからというもの、ネイティブと英語の達者な留学生に囲まれて自分がおどおどしてるなーと感じることが多いのですが、(自分が逆の立場にいた時のことを考えても)卑屈な態度って相手を困らせるだけなんですよね。知らないこと・できていないことは客観的に把握して改善に努める、必要以上に悪びれない…そういう態度はアメリカ人に倣いたいと思います。

ノースキャンパス、今日は秋晴れでした。

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運転、合格!

ようやく、ミシガン州運転免許取得のためのDriving Skills Testに合格しました。

先週初めて受験した時は、テストセンターを出た最初の交差点で「君は左折の仕方が分かっていない」と言われあっさり不合格。バス停から30分近く歩いてようやくテストセンターにたどり着いたというのに、75ドルが露と消えてそれはそれは落ち込みました。

気を取り直して、今日は別のテストセンターへ。縦列駐車で一本旗を倒し、ハイウェイで減速してAccelerate!!!と叫ばれましたが、どうにか無事終了。もらった合格証書を持ってSecretary of Stateに行けば、晴れて免許が手に入ります。帰り道、通りすがりの車の中から「合格した?」と声をかけられうなずいたところ、きれいなお姉さんが「やったね!」と指を立ててニッコリ。車社会の無能力市民という意識から生じてきたイライラや後ろめたさが少し薄れたような気がしました。(ただし、車を買うかどうかはまだ決めていません。)

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Detroit再訪

学部の新入生向けデトロイトツアーに行ってきました。

最初に目前に現れたのは、かつて映画館だったというFisher Buildingの威容。内装が豪華で、この街が賑わっていた時代を彷彿させます。片やダウンタウンの周辺部では、整然とした高級住宅街と貧困層が住む地域がモザイクのように入り組み、強烈な対比をなしています。コミュニティを再生すべく、市当局やNPOが様々なハウジング・プログラムを組んでいるそうです。家々の合間に現れるのは、変なアート?が集まる公園、騒がしく雑然としたマーケット、無人になって荒れ果てたビル等々、これまた印象的な光景の数々。そして、GM本社を核とするダウンタウンの中心部は眩しい別世界です。締めくくりは前回遠目に見たセントラル・ステーション跡。これだけは壊さず保存しておいた方がよいのではないかと思うほど雰囲気のある廃墟でした。

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一ヶ月前に来た時は、とにかく危険なところに踏み込んだらまずいという気持ちが強かったのですが、バスの車内からゆっくり周囲を見渡す機会に恵まれて、今回はもう少しじっくりと街並みを眺めることができました。よく見れば、ここはおもしろい所です。荒んだ街だけれど死んでいる訳ではない。オリエンテーションの時に聞いた「デトロイト・メトロ出身の人々は、自分たちの街をなんとかして生き返らせたいというある種非合理的なほどの強い思いを抱いている。」という言葉が思い出されました。そういう仕事をしたくて都市計画を学ぼうと思った訳ではありませんが、この国で都市計画という学問がいまだそれなりの存在感を持っている理由が少しわかったような気がしました。

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教科書が重い

昨日から大学の授業が始まりました。今学期受講する予定の授業はこんな感じ(全部必修。①③は人によっては免除される)です。

①Public Economics for Urban Planning : 基礎的なミクロ経済学の概念を学んでから、都市計画の分野に応用するという内容。学部時代に多少はミクロ経済学もやったはずなのですが、もはや忘却の彼方なので一から勉強し直しです。インストラクターが最初の例示で「侵略の費用→アフガン($2億)、イラク($7億)、ロシア($15億)…フランス($20億)、カナダ($3億)」と書き始めて学生は大受け。その後「テロ削減効果→アフガン(-10)、イラク(-20)、ロシア(-50)…フランス(0)、カナダ(-10)」と来て、「経費そのものの大小だけで物事は判断できない」と続くのですが、私はその説明の念入りさと例のきわどさに呆気に取られてしまいました。

②Legal Aspects of the Planning Process : ゾーニングや意思決定プロセスなど都市計画の制度的な側面を学ぶ授業。教授が初日から不在でしたが、リーディングの課題だけはたんまり。判例の分析などもあり、やや法学部的です。法律屋の端くれとして、一応この授業が今期一番の楽しみなのですが、難しいともっぱらの噂。どうなることやら。

③Introduction to Statistics : ごく普通の初歩的な統計学の授業と思われます。インストラクターの英語が聞き取りにくくてやや不安です。

④Planning Theory : 都市計画の歴史や課題を概観する授業。こちらもリーディングがたんまり。留学生が②と④を一度に取るのは大変だと言われたのですが、比較的教授の英語がわかりやすく内容も楽しそうなので頑張って受講しようと今のところは考えています。

それにしても教科書が重い。物理的に重い、内容的に重い(英語だから)、経済的に重い(新品で買ったら一冊1万8千円の代物まである)の三重苦です。私のバックパックがいつまでこの重さに耐えられるのか、かなり不安であります。

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Nichols Arboretum

祝日(9/1, Labor Day)はバスも完全休業でどこにも行けないので、家の近くのNichols Anboretumを散歩。英語で書くと何やら格好よさげですが、要は自然教育園です。木陰で赤ちゃんをあやす夫婦あり、一人でジョギングしながら写真を撮っている女学生あり、カヌーでのんびり川を下っていく親子あり、優雅な休日でした。

明日(というか今日?)から秋学期が始まります。

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