治安
夏に短期間ワシントンDCに行くことになったので、今せっせと住む場所を探しています。「DCは治安が悪い」と聞き知ってはいたものの、本気で住居を探す段になって改めてそれを実感しています…。
最初は治安の状況をほとんど知らなかったので、犯罪多発地帯の物件に興味を引かれたりもしていました。いくつか目星をつけた後に周辺環境が心配になって、Metropolitan Police Departmentの犯罪統計で物件近辺の犯罪発生歴を確認。…この一ヶ月の間に、物件から半径500m程度の範囲で凶悪犯罪が10件弱、昨年の同時期には同じ範囲で20件弱(殺人含む)起きていました。街中だし、夜でも駅から10分ぐらい歩けるだろうと思っていたのですが、その道筋に犯罪発生マークが点々とついているのを見て愕然。己の見込みの甘さを思い知って泣きたくなりました。
アナーバーは田舎の大学街なので、若干治安の悪い地域もあるものの、基本的にはとても安全です。大学のcrime alartも大学内の駐車場で怪しい男が近づいてきた、という程度のものが多く、実際の犯罪行為の知らせを聞くことは極めて稀です。最初からそんなところに来たために、これまでは非常にリラックスして過ごしてきましたが、それが特殊な状態であることを改めて認識しました。
DC(の一部)がそんなに治安の悪い地域になった理由はまだよく理解していませんが、比較的裕福な白人層が郊外に流出し、貧しい黒人層が中心部に取り残されたという構図は他の街と同じようです。なんとかして街の最中心部は治安を回復しようと努めた結果?、最中心部よりも周辺部が危険という空間構造はデトロイトと通じるものがあります。
それにしても…犯罪統計と黒人人口構成率をセットで目にすると本当に暗澹たる気分になります。人種と犯罪が一体となっていて、そこに大きな構造的問題が横たわっていることを突きつけられるからでしょうか…。アメリカの都市計画では、こうした格差を念頭においてsocial justice、social equityをどうやって達成するかということが、一つの大きな論点となっています。日本人の私にはなかなかピンと来なくて勉強している時はあまりおもしろくない話題でしたが、DCの状況を目にして改めて思い出すこともあり、また今度書きたいと思います。
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コメント
僕も中途半端にしか勉強してないんですけど、DCって結構特殊な街ですよね。単に「首都」だとか「どこの州にも属していない」とかいう意味だけでなく、人口構成って意味でも。たとえば、民主党支持率が異常なまでに高かったりとか。
あんな、政府機関とロビィスト以外にまともな産業のない街に、そんなに、仕事もないだろうのに、なんで低所得者の方がたくさん集まって住んでいらっしゃるのか、僕的には結構謎だったんですが、聴いた話では、もともと、ヴァージニア(つまりポトマックより南)が奴隷州で、DCが(南から北上してきて)最初の自由州(「州」じゃないけど)だったもんで、奴隷州側から逃れてきて、DCに住みついたアフリカン・アメリカンの方が多かったんだという話を聞いたことがあります。それに加え、当初予定されていたほどには都市開発が進まなかったこともあり、そういった方々の定着が進行していったということなのかなと。
NEとSEが危ないらしいですが、NEについては、中心部から周辺部に向けて押し出すような形での再開発が進んでおり、いわゆる治安の悪い地域は、メリーランド側に移りつつある、という話も聴いたことがあります。
投稿: baya | 2009年5月15日 (金) 22:25