ようやく金曜日…。さて、ピッツバーグ旅行の続きです。
到着した翌日(現地滞在1日目)午前中はバスツアー。近隣の宅地開発や工場跡地再開発の様子などを見学しました。午後は複数のグループに分かれてUPSAがアレンジしたイベントに参加。私はダウンタウンの再開発に取り組むPittsburgh Cultural TrustというNPOを訪問しました。この団体は、音楽やダンスの公演、美術展、ワークショップなど様々な文化活動を主催する一方で街区デザインや不動産開発も手がけており、一度は衰退したピッツバーグの中心街を文化地区として甦らせる上で大きな役割を果たしています。もらった年報を見たところ、三大収入はPresentation(38.7%)、Rent(18.9%)、Gifts and Grants(17.1%)で総額約40億円。Rentが入っているところがおもしろいと思いました。
2日目も同じくUPSAのイベント。午前中はAllegheny County Economic Developmentというこの地域専門の不動産会社兼コンサルのような会社を訪問しました。久々に見たスーツ姿のビジネスマンたちは颯爽としてなんだかやたらとカッコいい。プレゼンの後、ピッツバーグ郊外で彼らの手がけた再開発地区(かつては製鉄関連施設が存在し有害物質に汚染された、いわゆるブラウンフィールド)を案内してもらいました。EPAとの交渉の結果、一部の地区はremediationのレベルが低い(汚染が完全に除去されていない)とかなんとかいう話が出てきたので、交渉とはどういう意味か等々もう少し詳しく聞きたかったのですが、とっさに言葉がまとまらず断念。スタッフと他の学生の楽しげなやり取りを見て、非常に悔しく思いました…。
午後はNine Mile Run Watershed Associationという団体の案内で近郊の自然再生地区を散策。流域の植生も復元したものだとのことで、枯れ木もあれば毒草もあり。日本でいうところの多自然型川づくりでしょうか。カーネギー・メロン大学で行われていたプロジェクトが発端ということで、大学院で環境教育を専攻している学生がインターンをしていました。
ピッツバーグはUS Steelの本拠地で、私が小中学生の頃は鉄鋼の街と習いました。日本その他の製鉄業に押され一度は衰退したものの、公害対策と都市再生に成功して今や全米で最も住みやすい都市の一つ(アナーバーも「全米で最も住みやすい」らしいので、この呼び方あまり当てにしてませんが…)。人口30万人強。都会過ぎず田舎過ぎず、バス路線発達。ダウンタウンが二つの川の合流地点に位置し、対岸からの眺めは「全米の都市の中で2番目にすばらしい」(バスツアーのおじさん談。1番目は不明。)。という訳で、アメリカに来る前からなんとなく気に入っていた街でした。
そして、実際に見て、この街が好きだと思った理由がもう一つ。うまく言葉にならないのですが、自分たちの住む場所を自分たちの手で変えていこうとする人々の意気込みとでもいうのでしょうか。訪問先の団体の人たちもタクシーの運転手も皆がピッツバーグの衰退と再生の歴史に触れ、この地域に強い愛着を持っていることが伺えました。道端の失業者や手付かずの街区の姿は他都市と変わらず、全てのプロジェクトがうまくいっているとも限りません。でも、自分たちの力で環境は変えていくことができる、そういうシンプルな希望を持たせてくれる街でした。